Mouse Computerのスティック型PC m-Stick MS-NH1にUbuntuをインストールする。

作成日2015年2月11日とりあえず。後でもう少し整形したい。
作成日2015年2月12日みなおし。
作成日2015年2月18日ここだけ追記。ESCキー連打でUEFIに入れる様だ。

さて、前回まではIntelの超小型PC、もしくは今流行のIoTであるEdisonをmusic playerにする工作に取り組んでいました。

rebootするとUSBが認識出来ない(電源off/onすりゃOK)とか、
kernelが古くてmpd-dsdの最新版に追従出来ないとか、
色々ありますが、実運用には支障無く、音もなかなかいい感じです。
下手にいじらず、しばらくこのまま使ってようかと。

でも、そうなると次の工作を始めたくなります。いつもの事ですが。

実はEdisonの工作の最中にもおもしろいデバイスが沢山到着してました。

ZOTACのZBOX picoとか、

mouse computerのm-stick MS-NH1とかです。

この二つは、どちらもとても小さいパソコンで、Windowsが最初から入っている、お手軽パソコンです。

でも、それ以外にも大きな共通点があります。

どちらもBIOSに相当する部分が 32bit UEFI だと言う事です。

これが何を意味するかと言うと、普通の方法ではlinuxがインストール出来ない。と言う、かなり厳しい状況を意味します。

簡単に言うとPCのBIOS部分はここ最近ではUEFIと言うモノに変わっています。
UEFIは基本的に64bit環境で動作するモノであり、BIOSがUEFIであると言うことは64bit CPUで動作するソフトウェアが動くモノと位置づけられていました

...最近まで。

しかし、主にMicrosoftのダメダメさが原因で、32bitのUEFIと言うモノが出てきてしまいました。詳しくはWeb検索してください。

linux陣営ではこんなものに対応するのは納得いかず、2013年頃から何度も問題になっているものの、未だ32bit UEFIをサポートしていません。

気持ちは十分良く判ります。

...でも、動かないのは純粋に困ります....

とは言っても完全に無理と言う訳でも無く、Webを検索すれば32bit UEFIにUbuntuを入れる方法は見つかります。

今回はそれをまとめてみました。

基本的に、このページとこのページの手順を参考に日本語にしてみただけです。

若干手順に差異もあるので、自分のための備忘録として、このページを書いています。

この方法でzbox picoもm-stickもUbuntu 14.10がインストールできました。

但しどちらのPCも内蔵のWifiアダプタは使えません。予めUbuntuで動作するUSB wifi等を準備しておく必要があります。
私はBUFFALOのWLI-UC-GNMと言うのを使ってます。このアダプタは発熱の問題がある様ですが、とても安くて入手も楽なのです。

またm-stickの場合、ファームウェアを更新するにはWindowsが必要となりますので、いきなりWindowsを消すのは危険です。

ちなみに出荷版ファームのm-stickでUbuntuを起動したらUSB keyboardの動作がおかしくなりました。
何かキーを押すと「j」が連続して入力されたり、超高速リピートが掛かったりします。
駄目モトでmouse computerからベータ版のファームをダウンロードして適用したところ、この現象はなくなりました。
と言うワケで、まずはWindowsを消さずにファームのアップデートをすることを個人的にはお勧めします。

さらにちなみに、ZBOX picoはこんな面倒無くfirmのアップデートはUEFIから直接実行できます。
...のでWindowsはサクっと消しちゃっても問題なさそう。

実は下記の方法は、まずZBOXで試してみたものです。
結構素直にUbuntuが入りましたが、m-stickでもやってみようと思った時には...手順を忘れていました。
来たるべき次のオモチャ到着に備えて、手順をメモってみたものです。

m-stickでも結果的には旨く行きましたが、ZBOXに比べると少々クセがあります。
特にUEFIが不思議な構成になってるのには困惑しました。
物を考える構造が私とはまるで違う人類が居る事を実感しました。

さて、前口上はこのくらいにして、本題のUbuntuインストール方法に移ります。

(1) インストールメディアの作成

ここから

この辺り

例えばこれ

(2) Ubuntu用ストレージ領域の確保

(3) Ubuntuのboot loader起動


	以下の[loop手順]の部分は、USBメモリからUbuntuを起動する為の手順です。

	

	m-stickではこの手順を2回ほど繰り返さないとなりません。...普通はF2とか押せば良いはずなんだけど...

	

	

	[loop手順:ここから]

	

	UEFIへ入るための手順

	

	
		(1) まずは普通にWindowsを起動します。

		(2) ログインしてマウスを画面の右上からはみ出してしばらく待つ。

		(3) にょろっと右側からメニューが出てくるので、一番下の「設定」を選択

		(4) 「PC設定の変更」を選択

		(5) 「保守と管理」を選択

		(6) 「回復」を選択

		(7) 右側の「PCの起動をカスタマイズする」「今すぐ再起動する」を選択

		

		「お待ちください」と表示され、その後、「オプションの選択」から

		

		(8) 「トラブルシューティング」を選択

		(9) 「詳細オプション」を選択

		(10) 「UEFIファームウェアの設定」を選択

		(11) 「再起動」を選択

	
	


	UEFIが起動するので、

	

	
		(1)「Boot From File」を選択

		

		
		NO VOLUME LABEL,

		[PciRoot(0x0)/Pci(0x14,0x0)/USB(0x0,0x0)/USB(0x2,0x0)/HD(1,MBR,0x00040BF8,0x1F80,0x775080)]

		
		

		USBインストーラを認識していれば、上記の様なブロックが2つ出てくるので、USBと書いてある方の上でEnter。

		

		(2) bootすべきファイルの選択画面に移ります。

		

		
		
		<.disk>

		<boot>

		<casper>

		<dists>

		<EFI>

		<install>

		<pics>

		<pool>

		<preseed>

		<syslinux>

		<System Volume Information>

		

		

		<EFI>を選択

		

		

		
		<.>

		<..>

		<boot>

		

		

		<boot>を選択

		

		
		<.>

		<..>

		BOOTx64.EFI

		grubx64.efi

		bootia32.efi

		

		

		bootia32を選択

		

	
	[loop手順ここまで]

	

	これでようやくGRUBが起動します。

	

	GRUB画面

	

	
		
		*Try Ubuntu without installing

		 Install Ubuntu

		 OEM install (for manufacturers)

		 Check disc for defects

		
		

	
Try～を選択すると、Ubuntuが起動します。



(4) Ubuntuのインストール開始


	今はUSBメモリ上のUbuntuが起動した状態です。

	まだm-stick上のストレージには何も入っていません。これから実際のインストールが始まります。

	

	無事Ubuntuが起動したら、ここでインターネットへ接続しておく必要があります。

	最初に書きましたがm-stickに内蔵された無線LANは使えませんので、他のWLANカード等が必要です。

	私はBUFFALOのWLI-UC-GNMを使ってます。

	

	(4a) デスクトップ上の「Install Ubuntu 14.10」アイコンをダブルクリック

	
		

		(4a-1) Install Welcome画面で「日本語」を選択

		

		(4a-2) Ubuntuのインストール準備画面で

		(4a-2.1)「インストール中にアップデートをインストールする」を選択

		(4a-2.2)「サードパーティのソフトウェアをインストールする」を選択

		


		
			「使用中のパーティションをアンマウントしますか?」

			/dev/mmcblk0

		
		(4a-3) 「はい」を選択

		

		

		インストールの種類画面

		(4a-4) 「UbuntuをWindows Boot Managerとは別にインストール」を選択し、

		(4a-5) 「インストール」をクリック

		


		
			以下のデバイスのパーティションテーブルが変更されます:

			MMC/SDカード1(mmcblk0)

			

			以下のパーティションは初期化されます:

			MMC/SDカード1(mmcblk0)のパーティション5をext4に

			MMC/SDカード1(mmcblk0)のパーティション6をスワップに

		
		(4a-6) 「続ける」を選択

		

		どこに住んでいますか?画面

		(4a-7) Tokyo「続ける」

		

		キーボードレイアウト画面

		お好きに。私は...

		(4a-8) English(US) English(US) 「続ける」

		

		あなたの情報を入力してください

		あなたの名前:lactoria(例です。以下同様)

		コンピュータの名前:m-stick

		ユーザ名の入力:lactoria

		パスワードの入力:xxx

		パスワードの確認:xxx

		自動的にログインする

		[check]ログイン時にパスワードを要求する

		[     ]ホームフォルダを暗号化する。

		

		(4a-9) 「続ける」を選択

		

	
	(4b) Ubuntuのインストールが実際に始まる

	
	

		Welcome to Ubuntu 14.10画面がでます。

		インストールが始まる。待つ。。。。。。。。。。。。。。。。

		

		

		

		screen saverで画面が徐々にブラックアウトするけどマウス動かせば復帰する。

		画面が真っ暗マウスアイコンだけぐるぐる状態になったが、しばらく待てば復帰する。

		kernel-headerあたりをconfigureしてた頃のことだ。単にscreen saverからの復帰に時間かかっただけ?

		

		

		

		「インストールが完了しました」画面がでます。

		(4b-1) 「今すぐ再起動する」を選択

		

	
	


(5) インストール後の再起動




	USBメモリは差し込んだままです。もう一度USBメモリのUbuntuからGRUBを起動する必要があります。

	

	再起動するとWindowsが問答無用で起動するので、[loop手順]でGRUBの起動までをもう一回頑張る。

	

	(5-1) bootia32を選択し、GRUB画面がでたら、cキーを押す。

	

	

	
	GNU GRUB version xxx

	～

	

	grub>
	
	と出るので、下記コマンド投入。

	

	grub> linux (hd1, カンマまで打ち込んだらTABキーを押すと、有効なpartition一覧が出てくる。

	

	先ほどインストールしたUbuntuは、

	
	Partition hd1,gpt5: Filesystem type ext*, - last modification time 2015-02-11 09:22:56.....

	
	

	Filesystem typeがext*となっているのがそれ。なので、gpt5が目的のパーティション。

	結果、打ち込むコマンドは、

	

	
	grub> linux (hd1,gpt5)/boot/vmlinuz-3.16.0-30-generic root=/dev/mmcblk0p5 reboot=pci 改行

	grub> initrd (hd1,gpt5)/boot/initrd-3.16.0-30-generic 改行

	grub> boot 改行

	
	

	1行目と2行目は/boot/のあたりでもTAB補完ができるので利用すると良い。

	

	bootコマンドを投入すると、程なくUbuntuが起動する。

	



(6) 32bit grubの作成とインストール




	さて、無事にUbuntuが立ち上がったら、ログイン。

	まだこの状態では単独では起動出来ない状態なので、自前で32bit grubを作る必要がある。

	

	

	ちなみに...

	
	ここによると、Ubuntu 15.04では32bit UEFI用のgrubパッケージが有るようです。

	14.10ではどうなのか未確認ですが、aptで持ってこれるならこれだけで済むのかもしれません。

	
	The probably much better way

	1. Open a terminal and install the grub-efi-ia32-bin package:

	$ sudo apt-get install grub-efi-ia32-bin

	

	1. Update the grub config:

	$ sudo update-grub

	

	The end

	
	

	

	

	(6a) アップデートしておく

	
		旨く行っていれば、Wifi等はちゃんとinstall時の設定で自動接続されて居るので、まずはソフトウェアの更新をしておきます。

		

		しばらく放置していれば勝手に「アップデートあるぞ?」画面もでるけど、アップデートアイコンを押すのが早いかな。

		無事アップデートが完了すると、「再起動しろ!」と言ってくるけどまたloop手順を繰り返すのはいやなので「あとで」

		

	
	(6b) 端末の起動

	
		次に「端末」を起動する。

		方法は、

		左縦ランチャーの一番上のUbuntuアイコンを押下

		一番下の6つのボタンの左から2番めを押下

		インストール済み 73個の結果を表示をクリック

		アイコンが増えるので、ずーっと下にある「端末」を起動。

		

	
	(6c) suが使えるようにする(非推奨)

	
	

		
		m-stick:~$ sudo passwd

		[sudo] password for lactoria:xxxxxxx

		新しい UNIXパスワードを入力してください:xxxxxx

		新しい UNIXパスワードを再入力してください:xxxxxx

		passwd: パスワードは正しく更新されました

		

		m-stick:~$ su

		パスワード: xxxxx

		
		

		これでsuになっておくと楽なので。

		

	
	(6d) grubのソース取得

	
		
		# apt-get install git bison libopts25 libselinux1-dev autogen m4 autoconf help2man libopts25-dev flex libfont-freetype-perl automake autotools-dev libfreetype6-dev texinfo

		
		

		～

		(6d-1) 続行しますか?[Y/n]と聞かれるので、「Y改行」

		～

		

		終わったら、grubのソースを取りにいきます。

		

		
		# git clone git://git.savannah.gnu.org/grub.git

		
		Cloning into 'grub'...

		～

		Checking connectivity... done.

		

		あとは一気に。

		

		
		# cd grub

		# ./autogen.sh

		# ./configure --with-platform=efi --target=i386 --program-prefix=""

		# make

		
		

		まで進みます。makeは結構時間掛かります...。screen saverが起動する程度ですが。

		

	
	(6e) grubのインストール

	

	
		
		# cd grub-core

		# ../grub-install -d . --efi-directory /boot/efi/ --target=i386

		
		

		上記を実行すると、

		Installing for i386-efi platform.

		../grub-install: warning: cannot open directory `/usr/local/share/locale': そのようなファイルやディレクトリはありません。

		Installation finished. No error reported.

		

		って若干驚くメッセージも出ますが気にしない。

		

	
	(6f) grubのインストール最後の手順

	

	
		
		# cd /boot/efi/EFI

		# cp grub/grubia32.efi ubuntu/

(7) 最後の再起動。そして祈る。

以上!お疲れさまでした。一旦shutdownし、Install用のUSBメモリを抜いてから再度Power ON!

grubのメニューが立ち上がり、Ubuntuが起動します。

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