RaspyFiとResonessence Labs HERUSでDSDネイティブ再生 part 1

作成日2013年12月11日


さて前回までの試行錯誤の結果、 そこそこ安定して使える様になってきたRaspberry PiとPHA-2。

ようやく音楽を楽しむことに専念できるか...と思いきや、懲りもせず新しいハードに手を出してしまいました。

今回はResonessence LabsのHERUSです。 会社名は指がつりそうな綴りですが、ハードウェアは思いのほか素直なものでした。

HERUSもDSDがネイティブ再生できる、しかも超小型のUSB-DACです。
PHA-2(2013年10月25日発売)とほぼ同時期(2013年11月8日発売)に発売されています。
即ゲット!しようと思ってましたが...予想以上にPHA-2対応に時間が掛かり手を出せませんでした。
そしてPHA-2の工作に没頭しているうちに気がつけば品切れです。予想以上の人気なのでしょうか。

しばらくは買えないのかなぁと、諦めモードでしたが...

まるでPHA-2工作が一段落するのを待っていてくれたかの様なタイミングで在庫復活です!!

Version 1.2 PHA-2用USBデータ・電源アイソレーションケーブル
Raspy その前にPHA-2版の最終形としてVersion 1.2をご紹介。

とは言え、写真は既に取り外し済みのPHA-2とのショットです。

このケーブルは、(2時間掛かって作ったのに、プラグに瞬間接着剤が染み込んでて)再起不能にしてしまったデータ・電源アイソレーションケーブル(とか言ってみる)のリベンジです。

アイソレーションとか言ってますが、USB機器への電源供給ラインを電池直結に変えただけです。
USBポートからの電源を分離した理由は、Raspberry Piの電源ラインが貧弱で動作中にUSB機器を抜き差しするとリセット掛かったり、PHA-2のUSB機器としての認識が100%じゃない原因が電力系にある可能性も排除したかったからです。
それ以外の効果を期待してアイソレーションしてる訳じゃありません。

今回もPi側のUSBはオープンにせず、VccをLEDに消費させる方式にしました。

最近お気に入りの このプラグ、分解加工は無理!と諦めてたのですが、なんとかしてみました。

といっても、お薦めできません。USBプラグの内部は線材ごと樹脂成型で固まっています。
元のデータラインには傷付けず、電源ラインだけ掘り出してUSB端子側にはLEDと抵抗を付けし、ケーブル側も可能な限り無傷で掘り出し外部電源ラインと接続する加工です。X線透視したくなります。
ホットナイフ使って3時間コースでした。

さらに、固定にはアロンアルファ耐衝撃を使っています。つまり再分解や修理はほぼ絶望的です。

とても面倒でしたがPHA-2へのケーブル部分は1本にできたので、すっきりしました。
Version 1.2 トップパネルとHERUS
Raspy HERUSは小さいです。中途半端に。

HERUSとの2ショットになってますが、まずRaspberry Pi本体側の話です。
今回は熱対策の強化をしてみました。

まず貼る一番ハード をスペースに収まる限界サイズ(40mm x 30mm)にカットしてCPUに貼り付けてます。
CPUよりもかなり大きなサイズになります。
そしてその上に F-07でも使った 20mm Fanを設置。
強制空冷すると同時に筐体内のエア撹乱を期待してます。

また全体を入れるバッグ(ポーチ)を HAMA 00115759 "Seattle" Camera Bag,100,navy に変えました。
上部がフルオープンになるシンプルなバッグです。

その状態で測定したところ、電車内1時間連続稼働でCPU温度51度に改善しました。
今まで65度とか、下手すりゃ70度越えでしたので、劇的な効果と言えます。

バッグを変えた効果がデカいって気もしますけどね。

さて次はHERUSですが、なまじ小さいだけに、どうやってPiと一体化させるか悩みました。

左の写真は一体化してるわけでは無く、ただ横に置いてあるだけです。

最初はPiのアルミボディ側面に張り付けてみました。
ところが金属ボディ同士が接触するので、Piの発熱でHERUSまでもの凄く熱くなります。

PiはともかくHERUSはお値段約10倍です。あまり無茶はしたくないのでこの方法は没です。
そして次はポーチの中へバラバラにぶち込む方式としました。
Resonessence HERUS!
Raspy HERUSアップの写真ですが、説明はケーブルについて。

懲りもせずに毎度お馴染みのケーブルを改造してます。

HERUSの消費電力はデバイス自身の言い分を信じると100mA程度らしいので、USBラインから直接取っても良かったのですが、せっかく伸ばした電池直結用ラインが無駄になるのでPHA-2同様にアイソレーションしてみました。

HERUSの自己申告はこちら。lsusb -vの結果です。

HERUSのUSB端子はUSB TYPE Bです。Bタイプなんて工作したことありません。
今回初めてピン配置を知りましたが、意外と覚えやすい。

面倒なので チャレンジとしてVccがオープンの状態での認識状況を確認する為、LEDは省略です。
1週間ほど使ってみて、HERUSの認識に失敗する事は一度も無いです。Vccは放置で良いかなぁ。

既に私のRaspyFiには今まで色々とPHA-2で解析した認識不可時の自動リカバリ処理が入っているので、HERUS到着後もかなりスムースに音を出す事ができました。

到着前にHERUSで想定される起動処理を追加しておいたので、到着してからはUSB機器のベンダidと機器id、ハードウェアボリューム名を調べて埋め込む程度で済みました。
これらのデバイス情報はインターネットで調べても見つけられませんでした...。ので、このページのそこかしこにバラ撒いておきました。

当然、card番号問題などALSAやMPDに関係する部分はPHA-2と同様に失敗時のリカバリは必要ですが、HERUSには電源スイッチもバッテリも無いのでPHA-2の様にややこしい状態遷移もありません。
ホットプラグに失敗することもなさそうです。

そんな訳で、「思いのほか素直」なハードウェアだと思います。

素直なHERUSでも注意すべき点があります。デバイスの初期ボリュームがMAXだと言う点です。
RaspyFi(ALSA)では設定したボリュームは保持されるので通常問題ありませんが、何かのトラブルで設定値がリセットされてしまったら...恐ろしい事になります。
この危険を防ぐため、起動処理にボリュームMAXチェックを入れました。
HERUS接続ケーブルVersion 2
Raspy Piの上にHERUSを載せるには手持ちのシリコンバンドでは思い切り伸ばさないとダメでした。
でも、それをやるとPiのアクリル板に負担が掛かり、湾曲してしまいます。こりゃダメだと...。

そこで写真の様にリフトさせたトップパネルの隙間から挟んでみたらいけそうです。

なんとかなりそうなので最短距離を結ぶケーブルを作ってみた。

でも、Bプラグなんて手持ちにありません。その辺で売ってたのは、見ての通りゴツいです。
ケーブルのアールに無理がありすぎです。なんとかしたい。

こんどは、いつものUSBケーブルシリーズ中の上向きコネクタですが...こっちはもっと面倒でした。ケーブルの固定はアロンアルファ耐衝撃が頑張ってるだけです。

稼働状況
Raspy Piとバッテリを重ねたら、バッテリがスクリーンになってRGB LEDがはっきり見えます。

ちなみに上に書いたMAX volume trap checkは、こんな感じです。
ALSAのボリュームは1つだけで、名前はSpeakerです。実にシンプルです。
起動時に何らかの理由でボリュームがMAXにリセットされてたら、68%にする。と言う事です。
今のところ、一度も発生していませんが、あくまでも安全の為に。
反対側
Raspy HERUS、もうちょっと薄ければ収まりが良いのですが...
MODEL Width Height Depth Weight
HERUS 31.7mm 19.0mm 63.5mm 64g
PHA-2 68.0mm 29.0mm 140.0mm 270g
それでもPHA-2より1cmも薄いんですね。

ところで、HERUSのUSBベンダコードは、Veridicom International, Inc. です。

そしてこの会社、既に存在しない様な?...。


素直なデバイス。それだけで好感が持てます。

さらにソフト面の造り込みも良くできています。

  • WAV,DSD共にmpdからのhardware volume 調整が問題なくできます。
  • PHA-2最大の問題だったDSD曲間のポップノイズも、HERUSではゼロです。

  • 肝心の「音」ですが、HDP-R10からPHA-2に変えた時に感じた感覚と近いかもしれません。
    アナログ段の匂いがさらに削ぎ落とされた音に感じます。
    コンデンサーで鳴ってる感が無いと言うのでしょうか。

    今のところヒューマンインタフェース含めたトータルで考えると、HERUSを使う機会が増えそうです。


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